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このような状況にならなければ、私たち舞台人は映像作品を自らの手で作ろうなどとは
思いませんでした。しかし、生活は大きく変わりました。
私たち演劇人も新たなスタイルを模索しなくてはならなくなったのです。
それは、観劇を楽しんで下さる観客の皆さんも同じです。
この作品は、コロナ禍で厳しい現実ばかりに心が向き、今まで通りの楽しみ方が奪われている今、
劇場で観劇する擬似体験を楽しんでもらえたらいいと思い作りました。

小嶋佳代子の短編ひとり芝居（約１２分間）

フォルクスワーゲン、タイプ１。かつて母が大切に長年乗り続けた車を娘は取り上げ廃車した。
だが、なぜだか娘は同じ車を見つけ買ってしまう。ハンドルを握りると走馬灯のように母を思い出すのだ。